智弁和歌山(和歌山)が2-1で社(兵庫)との近畿勢対決を制し5年ぶりの白星を挙げた。夏の甲子園初戦連敗は3でストップ。2回に、この試合でスタメン復帰した主将・松本虎太郎外野手(3年)の内野ゴロの間に先制し投手戦をものにした。履正社(大阪)は6-2で享栄(愛知)を破り、祖父と父がプロ野球選手の主将、辻竜乃介内野手(3年)が父超えの甲子園1勝をマークした。敦賀気比(福井)は10-0で57年ぶり出場の横手(秋田)に快勝した。

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智弁和歌山の帰ってきた主将が、白星で自身のスタメン復帰と母の誕生日を祝った。「6番DH」で出場した松本が、2回無死三塁で一、二塁間に打球を転がし、二ゴロで先制点を挙げた。安打ではなかったが「うれしいっていう気持ちがまず一番」と喜んだ。

出場危機からの超スピード復帰だった。最後の夏を目前に控えた6月初旬、腰が痛くて立つことができなくなった。精密検査で「腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニア」と診断された。当初は治療しながら復帰を目指したが、それでは大会に間に合うかわからず「(可能性に)懸けて」と手術に踏み切った。メスを入れたのは6月30日。医師には復帰まで2カ月かかるとも言われていたが、懸命なリハビリで驚異の回復。7月25日の和歌山大会準決勝で代打で復帰し、決勝でも1打席に立つと、背番号を17から10にして甲子園に戻った。1年夏から3年連続の聖地。「バッティングと全力疾走はできる」と今夏初先発で、自身初の夏勝利を手にした。

小学生のときに「智弁和歌山で野球がしたい」と父彰太さんに伝えた。父からは「行けるための生活をしなさい」。意志を実現するため、生活から見直し、同校で主将を務めるまでになった。東北高時代にダルビッシュ(パドレス)とプレーした経験がある父は「だから今回も絶対に間に合うと信じてやってこられたんでしょうね」と目を細めた。

この日はスタンドで見守った母春香さんの38歳の誕生日でもあった。抽選で初戦が11日に決まると「絶対勝つしかない」と闘志を燃やした。「良いプレゼントができた。18年間ありがとう。最終的には優勝っていう結果で感謝を伝えたい」。21年以来の全国制覇もつかむ。【佐藤妙月】

【甲子園】履正社、智弁和歌山、敦賀気比、三重が初戦突破 57年ぶり出場の横手は涙/詳細