松商学園(長野)の山口史晃外野手(3年)が感謝の一打を決めた。

4点ビハインドで迎えた9回2死一、二塁の場面だ。「『ありがとう』ってとなえながら打席に入った。だから抜けてくれたのかな…」。カウント2-2からの5球目。外角高め直球を迷いなく振り抜いた。高く舞い上がった打球は右翼手の頭上を越えていく。二塁ベースを蹴り、三塁へ勢いよく頭から飛び込む。2点適時三塁打。土壇場で執念打を放ち、最後まで諦めない姿勢を示した。

「今まで自分に関わってくれた方々や、今日球場に足を運んでくれた方々…。そしてテレビの前から応援してくれる方々へ、感謝の気持ちを持って打つことができたと思います」

6番が主戦場だったが、今年5月から1番に抜てきされた。「先頭で出ることによってみんなもつないでくれるので。チームに流れを持ってくる意識はありました」。5点を追う8回は先頭で右前打。この回1点を返し、反撃ムードを一気に高めた。この日は5打数2安打2打点。毎日1000回の素振りを自らに課し、努力に裏打ちされた自信も胸に、この大舞台で結果を残した。

1年冬には左ひざの半月板断裂の大けが。競技復帰に半年も要した。本職は捕手も、左ひざを考慮して外野手にも転向。逆境を乗り越え、たどり着いた夢舞台でもあった。「やり切れたかなと思います。本当にみんなには『ありがとう』の思いです」と涙をぬぐい、最後まで感謝の言葉を口にした。

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