仙台育英(宮城)が1-0で花咲徳栄(埼玉)を下し、史上5校目となる夏の大会50勝の大台に到達した。背番号10の古川諒弥投手(2年)が9回5安打、自身初完封で2年連続16強へと導いた。拓大紅陵(千葉)は1-0で佐賀商(佐賀)に競り勝ち34年ぶり白星。佐野日大(栃木)は3-1で神村学園(鹿児島)を破り29年ぶり16強入りを決めた。第4試合の東海大甲府(山梨)-健大高崎(群馬)は台風15号による天候不良見込みのため、13日の第1試合(午前10時半開始)に順延となった。
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初めてたどり着いた景色だった。わずか1点リードの9回。古川は先頭打者の出塁を許すも、冷静に後続を断ち、最後はスプリットで空振り三振に斬った。119球、初完投初完封。「1点を守り抜くことだけを考えていました。チームが最後まで自分を信じてくれて、勝ててよかった」。力強く握った右拳は安堵(あんど)の表れだった。
22年に初めて優勝旗を東北に持ち帰り、翌23年も準Vと強さを証明した仙台育英に憧れ、北海道から入学した。初戦に続く先発マウンド。背番号は10ながら、須江航監督(43)から「お前が一番いいピッチャーだ」と言葉をかけられ、「とても自信になりました」と腕を振った。
直球とスライダー、カーブを巧みに使い分け相手を翻弄(ほんろう)。途中、甲子園には雨が落ちたが「ただ低く投げることだけを意識して」となんのその。花咲徳栄打線を5安打無失点に抑えた。これには指揮官も「お互いの投手の出来が今日の勝敗の99%を決めるような戦いでした。古川が期待を超えていった」と絶賛した。
この日は能登半島地震から交流のある輪島(石川)の野球部も応援にかけつけたていた。須江監督は「当時は『ONE TEAM』ってTシャツを着て、ひとつだよという意味でやっていましたから、(声援は)力をもらいましたね」と感謝した。
6度目の出場で初勝利を挙げた78年1回戦の高松商(香川)戦から、積み上げた夏50勝。同監督は「大先輩方が築いてきてくれたものなので、それに1つ1つ数字が増えていくことでOBの皆さん、応援してくれている皆さんが喜んでくれる。その喜びに携わらせてもらえることに、逆に僕自身が感謝しています」。今夏、まだまだ勝ち星を重ねていく。【高橋香奈】
◆仙台育英初の2年生完封 仙台育英・古川が完封。同校の投手が甲子園で完封したのは78年夏の大久保美智男、89年夏の大越基、99年夏の真山龍、15年春夏の佐藤世那、17年夏の長谷川拓帆、25年夏の吉川陽大に次ぎ7人目となり、2年生は初。宮城県勢の下級生が完封したのは03年夏のダルビッシュ有(東北2年=対平安)以来23年ぶり。
◆仙台育英が夏50勝 仙台育英が夏の大会で50勝目。夏の50勝以上は(1)中京大中京79勝(2)龍谷大平安61勝(3)松山商60勝に次ぎ、今大会にも出場している天理と並ぶ4位。
◆出場7大会連続2勝 仙台育英が19年夏から春夏の甲子園で出場7大会連続2勝以上を記録。2勝以上を7大会以上続けたのは史上5校目。(1)PL学園11大会(76~85年)(2)箕島8大会(77~83年)に次ぎ、岐阜商(現県岐阜商)の7大会(36~41年)、中京(現中京大中京)の7大会(76~87年)に並んだ。
◆2試合連続1-0 拓大紅陵に続き、仙台育英も1-0で勝利。夏の大会でスコア1-0が2試合続いたのは、19年1回戦(8月7日)の星稜1-0旭川大高、立命館宇治1-0秋田中央以来7年ぶり。

