<全国高校野球選手権:光星学院16-1専大玉名>◇11日◇2回戦

 甲子園が川上竜平主将(3年)の独壇場と化した。打っては2打席連続の本塁打などで計7打点。投げては6回1失点の好投で光星学院の圧勝の立役者となった。

 大舞台には「青森大会の本塁打がたまたまと言われないように」と強い気持ちで臨んだ。3回に1点を先制し、なお無死満塁のチャンスで迎えた2打席目の初球。相手投手が多投するスライダーに狙い球を絞り、打った瞬間に確信したという打球は左翼の頭上を越える本塁打となった。

 しかし、それだけでは終わらない。続く打席で打球が左中間に落ちると、打球の処理にもたつく間に猛ダッシュ。「三塁に行けるかなと思ったが、ベースコーチが腕を回していたので走った」とランニング本塁打でさらに相手を突き放した。

 「上に行くには(エース)秋田だけでは厳しい」と仲井監督から先発のマウンドも任された。初めて立つ甲子園のマウンドに「緊張して周りが見えなかった」というが、うまく緩急をつけて好投した。

 春の選抜大会では、東日本大震災の影響のため、地元青森の応援団は駆け付けることができなかった。大震災からちょうど5カ月の節目のこの日。「春はやっていいのかという気持ちだったが、今は逆に勝つことで元気づけられると思っている。勝てて良かった」。主将も務める右腕は一塁側スタンドの応援団とともに勝利を喜んだ。