<全国高校野球選手権:如水館3-2能代商>◇16日◇3回戦

 秋田県勢16年ぶりの8強入りを狙った能代商が、壮絶に散った。延長10、11回裏に好守備でサヨナラ負けを回避し、12回表に敵失で2-1と勝ち越し。だがその裏に同点とされ、最後は2死一、三塁から左前に運ばれて力尽きた。左腕エース保坂祐樹(3年)は秋田大会から全9試合に完投。サヨナラ負けの瞬間、マウンドに膝を落としたが「今出せる力を出し切れました。思い残すことはありません」。目に涙はなく、すがすがしい表情だった。1回戦では秋田県勢の初戦連敗記録を13で止め、2回戦ではプロ注目の英明(香川)の193センチ左腕、松本竜也投手(3年)を撃破。「弱小県」のイメージを振り払った。