<高校野球山梨大会:山梨学院大付7-0甲府南>◇23日◇準決勝

 山梨学院大付の4番小林義弘内野手(2年)が、4試合連続の本塁打を放った。初回2死一塁で、低めの直球を引っ張って、右越えの先制2ラン。4戦連発で山梨大会の記録を塗り替えると、2点リードの3回2死三塁には、右翼ポール際に2打席連続となる高校通算25号の2ラン。4打数3安打4打点の活躍で、2年ぶりの決勝に導いた。

 「狙う気持ちはない」と謙虚だが、4戦5発はいずれも打った瞬間にそれと分かる当たり。2、3回戦ではソロ。準々決勝の東海大甲府戦では、今秋のドラフト1位候補・高橋周平(3年)の目の前で2ランを放った。4試合で14打数9安打12打点。須田喜照監督(41)は「しっかり待って甘い球を捉えている」とほめた。

 巨人高橋由らが育った千葉市シニアの出身で、中3時に米国遠征の経験がある。入学後に捕手から一塁手に転向し、1年夏からベンチ入り。昨秋まで体重が88キロあったが、冬場の走り込みで約10キロ減。打撃のキレが増したという。

 小4のころ、センバツで東北・ダルビッシュの投球を見て衝撃を受けた。父義正さん(57)から「甲子園は見るところじゃない。プレーするところだ」と言われた大舞台まであと1勝。「チームのために打点を挙げたい」と、自らのバットで夢をかなえる。【松熊洋介】