<高校野球滋賀大会:八幡商6-4北大津>◇28日◇決勝

 八幡商が昨年覇者の北大津を下し、5年ぶり7度目の優勝を飾った。3点ビハインドの5回に一挙6点を奪って逆転。2度のセーフティースクイズの後に3連打を放つなど大技、小技を絡めた攻撃で、昨年の覇者を下した。

 決勝打を放ったのは、今大会17打数で2本塁打を含む9安打と暴れ、実に13打点を量産した遠藤和哉外野手(3年)だ。5回2死一、二塁の同点の場面で2点を勝ち越す右越え適時三塁打。「流れがこっちに来つつあったので、打った瞬間うれしかった」。大会前には調子を崩し、スランプに陥っていたが、フォームを微修正したことがこの日も結果につながった。

 遠藤は守備でも貢献した。8回1死一、二塁で左翼線際でフライをキャッチすると、一塁走者が二塁を回っていたのを見て、すかさず遊撃に返球。一塁走者を封殺し、反撃の芽を摘んだ。

 チームは昨夏、まさかの1回戦敗退。今春も県大会準決勝で北大津・岡本に完封されコールド負けを喫した。だが、池川準人監督(39)の言葉も選手を落ち着かせた。「オレが甲子園に出た時も決勝で0-3を逆転した。八商の野球を粘り強くやろう」。90年に八幡商で甲子園行き切符をつかんだ監督の言葉がナインの心を1つにまとめ、滋賀の頂点の座をつかみとった。【福岡吉央】

 ◆八幡商

 1886年(明19)創立の県立校。滋賀県商業学校から55年に現校名となる。生徒数596人(うち女子428人)。商業科、情報処理科、国際経済科がある。野球部は1898年創部。部員数は65人。春7度、夏7度目の出場。主なOBに故宇野宗佑元首相。所在地は近江八幡市宇津呂町10。今西直隆校長(59)。

 ◆Vへの足跡◆2回戦7-0石山3回戦8-2膳所準々決勝4-1河瀬準決勝7-0瀬田工決勝6-4北大津