<高校野球佐賀大会:佐賀北4-0有田工>◇17日◇3回戦◇みどりの森

 「がばい旋風」再び-。佐賀北が有田工を下し、2年連続の8強入りを果たした。横手投げのエース右腕、末次慶一郎(3年)が2戦連続完封で勝利に貢献した。同校は07年夏の全国制覇時も横手投手が活躍。「がばい旋風」と言われた快進撃で話題を集めた。「夢を再び」と周囲の期待も高まっている。

 「がばい旋風」を再現するばい!

 佐賀北のエース末次が夢舞台へ向け、3回戦でも快投を見せた。有田工から10奪三振の力投で5安打完封勝利。8強入りに貢献した。

 圧巻は2回2死から4者連続奪三振。スライダー、チェンジアップを巧みに操り、翻弄(ほんろう)した。6回1死一、二塁のピンチでは今春、強打者封じのために習得したツーシームで4番原の内角を突き、狙い通りに併殺に打ち取った。8回2死三塁を三振でしのいだ際には、ガッツポーズをしながら「ヨッシャー」と雄たけびをあげるほど気合が入っていた。「今日は勝負どころで粘れて良かった。次も自分が任された仕事を果たしたい」と語った。

 末次が急成長を遂げたのは、高校入学後だ。名将、百崎敏克監督(56)に、スリークオーターから横手への転向を薦められた。もともと、横手投手だった山田捕手から助言をもらうなど、試行錯誤を重ねて、現在の投球フォームを身につけた。

 直球は約130キロだが、テークバックが小さく、打者からは球の出所が見えにくい。指揮官も「ここぞの試合で投げさせられる」と厚い信頼を置いている。

 同校が07年夏に全国制覇した時も、百崎監督が横手投手に変更させた馬場が活躍した。直球は120キロ台だったが、その後の本格右腕久保への継投が打者を戸惑わせて快進撃につながった。エースの奮闘も「百崎マジック」をほうふつとさせる。末次は「テレビで優勝を見て感動しました。うれしかった」と中1だった当時を振り返る。夢を再現させるためにも全力を尽くす覚悟だ。【菊川光一】

 ◆末次慶一郎(すえつぐ・けいいちろう)1994年(平6)11月17日、佐賀県生まれ。赤松小2年で野球を始め、小5から投手に転向した。城南中出身。佐賀北では、1年秋からベンチ入りし、2年春からエースを務める。172センチ、60キロ。遠投100メートル。右投げ右打ち。