<高校野球静岡大会:静岡市立5-2掛川西>◇21日◇3回戦◇掛川

 静岡市立がシード校の掛川西を破り、2年連続でベスト16に進出した。6回まで2安打に封じられていた打線が7回に無死満塁を得ると、3連続押し出し四死球と相手の投球を冷静に見極め逆転。エース白鳥晶識(まさのり)投手(3年)が2失点完投と踏ん張った。2回戦で昨秋県準優勝の富士市立を破った勢いを加速させ、今日22日の4回戦で昨夏ベスト4の韮山と戦う。

 静かな反撃だった。2点を追う7回、先頭の代打中田智徳内野手(3年)が中前打で出塁。続く犠打を相手が野選し、打席には9番小泉将志内野手(2年)。三塁線にきれいに転がしたバントを50メートル6秒前後という足で内野安打にした。無死満塁。盛り上がるスタンド。それでも今大会12打席10出塁の木村拓斗主将(3年)は冷静だった。「無理に打ちにいかなかった」と、フルカウントから押し出し四球を選んだ。相手投手の交代後も、フルカウントから四球、死球。ナインの平常心が逆転劇を呼んだ。

 結局、5安打5得点で勝利。1、2回戦でそれぞれ9、8得点と大勝から一転した地味な逆転劇に戸塚哲弥監督(39)は「こんなもの」と意に介さない。2回戦もスクイズ3本を絡めてのもの。この日、3安打の小泉は8回に唯一の適時打を中前に運び貴重な4点目を挙げたが、セーフティーバントを失敗した結果だった。「つなぐことだけを考えた」と小泉。全員が得点のための最善策を考え積み重ねていった。

 合計10四死球の掛川西投手陣を目にした白鳥は、低めへの制球を心掛け7安打2四死球。9回2死から一、二塁となっても、最後はこの日8個目の三振で締め「ホッとした」と笑った。140球を投げたが、気温20度前後の天気にも助けられ連投に支障はない。この日11得点の韮山打線に対し「低めを意識していく」と力を込めた。

 吉兆もある。3度目の甲子園を狙う今回、中部開始式で木村が選手宣誓を行い、初戦で焼津中央を撃破した。初出場した62年も同校が選手宣誓をしており、2度目の01年は焼津中央戦から勝ち上がった。木村はその選手宣誓を「駆け上がります夏のてっぺん、夢の舞台へ!!」と締めた。強豪連破で少しずつ頂上が見えてきた。【石原正二郎】