<高校野球青森大会:弘前学院聖愛2-1八戸学院光星>◇19日◇準々決勝◇青森市営球場

 弘前学院聖愛が昨夏まで3季連続甲子園準優勝の八戸学院光星を破った。右横手投げのエース小野憲生(3年)が6安打1四球8三振1失点の好投。6回に先制を許したが、8回にタイムリーと犠飛で逆転し、逃げ切った。昨夏決勝で3-5で敗れた光星に雪辱。3年連続で準決勝進出を決め、初の甲子園へ前進した。

 最終回を3人で仕留め、聖愛の小野が力強いガッツポーズをみせた。スライダーを交え、コーナーを突き緩急自在。光星打線を6安打に抑えた。打線は8回、4番成田拓也外野手(3年)のタイムリーと7番佐々木志門内野手(1年)の犠飛で逆転。1点差でも小野には十分だった。

 「リベンジしたな」。ベンチに帰った小野に、原田一範監督(35)が握手を求めた。昨年7月26日の決勝で当時2年の小野が先発。光星に2安打1四球で1点先制を許し、1回で降板した。秋の県大会準々決勝では小野が完投、4失点で敗れた(3-4)。リベンジの思いは強かった。

 だがチーム全体を含めて、原田監督は「リベンジ」を禁句にした。「その時その時、やるべきことをしっかりやること。リベンジは結果」との考えだった。昨夏決勝の前は緊張のあまりブルペンで泣いていたという小野。この日はマウンドで笑顔を絶やさず、「落ち着いて自分の投球ができた」と笑った。「よく投げた。ひと冬越して、人間的にも成長した」と原田監督はたたえた。

 打線は8安打で2得点にとどまったが、各打者が強い打球を放ち、パワーとセンスをみせた。この日を含めて4試合で計37得点に対し、失点はわずか2点。実力を発揮してきた。準決勝は秋春県大会連覇の青森山田と激突。小野は「どこが相手だろうと同じ。自分のピッチングをするだけ」ときっぱり。創部13年目、悲願の甲子園へ向けて、勢いは加速する一方だ。【北村宏平】