<高校野球静岡大会:富士市立5-1磐田東>◇24日◇4回戦◇清水庵原

 第5シード富士市立の「粘り」が、吉原商時代の91年以来22年ぶりとなる8強入りを呼び込んだ。

 初回、相手の失策も絡み2死一、三塁の好機を迎えた。ここで5番稲垣拓己内野手(3年)が、右翼越え三塁打を放ち2点を先行した。稲垣は「2死に追い込まれようが、最終回で負けていようが、最後まで諦めないのが今のチーム」。

 前日23日に行われた静清との3回戦では9回に追いつき、鈴木悠矢内野手(2年)の劇的な満塁本塁打でサヨナラ勝ちした。直後の1回裏に1点を返されたが、稲垣が口にするチームの“武器”が、磐田東に反撃の流れを渡さなかった。

 4回から6回まで、すべて2死からの追加点だ。5-1とすると、投手陣も9安打を浴びながらも吉田航貴(3年)からエース丸山航平(3年)の継投で粘り強く要所を締め、リードを守り切った。

 これで、79年と91年に記録した過去最高の8強に肩を並べた。それでも戸栗和秀監督(48)は「ここで満足せずにもう1回チャレンジする」。稲垣も「今までやってきたことを出せば勝てる」と、春季大会でコールド負けを喫した静岡へのリベンジを誓った。【前田和哉】