<高校野球大阪大会:和泉4-0今宮>◇13日◇1回戦◇久宝寺

 今宮・鈴木翔大選手(2年)が病気を乗り越え、夏の舞台に立った。2年前の7月、1年生の時に右足に骨肉腫が見つかり、10カ月の闘病生活を送った。入院中はチームメートが見舞いに来て元気づけてくれた。

 復帰し、やがて三塁コーチを任されるようになり「試合に携われると思わなかった」と喜んだ。「大事なポジション。自分の声で勝たせる」。その一心で、自分を支えてくれたチームメートを大声で励まし、いっぱいの笑顔で迎えた。右足を引きずりながらも精いっぱい走った。

 9回2死で代打に送られ「よっしゃーこい!」と大声で叫んだ。結果は二飛で最後の打者になった。「もうこのメンバーで野球はできないんだ」と思うと涙があふれた。「応援してくれる人がたくさんいて、アナウンスもあって、全然違った」。休学していて、2年生にして最後の夏が終わった。【磯綾乃】