<高校野球静岡大会:静岡10-1駿河総合>◇22日◇2回戦◇草薙球場

 春季県大会準優勝の静岡が7回コールド勝ちで駿河総合との2日間にわたる熱戦を制した。前日21日に延長15回で引き分け再試合となった一戦は、1-1で迎えた2回裏、1番内山竣(2年)の鮮やかな3ラン本塁打で突き放した。ナインも勢いづき、計10盗塁と走力も絡めて追加点を奪う圧勝劇。21日に接戦を演じたV候補が嫌なイメージを払拭(ふっしょく)した。24日に控える静清との3回戦に向け、チームも上昇ムードとなった。

 2日間の戦いに区切りをつけるアーチだった。1-1で迎えた2回裏、2死二、三塁。静岡の1番内山は「積極的にいく」と打席へ。21日に8打数1安打と抑えこまれた駿河総合のエース新村佳汰(3年)の6球目。真ん中にきたスプリットをフルスイングで右翼席に運んだ。盛り上がるベンチで出迎えられ「みんなが喜んでくれた。うれしかった」と声を弾ませた。

 21日は15回裏の2死二塁で打席に立ち、空振り三振で引き分け再試合が決まる最後の打者となった。苦い思いを胸に、夕方は自主トレに励み「バットが下から出ていた。上からたたくイメージで」と打撃を修正。今朝は「昨日は昨日、今日は今日」と球場入りした。心身の切り替えが功を奏し、チーム1位のスイングスピード(132キロ)を生かし、大事な場面で通算7号をマーク。栗林俊輔監督(41)も「内山の3点が大きかった」と勝因を挙げた。

 リードオフマンの本塁打で、21日の接戦がウソのように静岡は大量得点を奪った。走力も絡めて計10得点。3番の岸山智大主将(3年)は3打数3安打4打点、50メートル走が5秒9という俊足で4盗塁し「意地を出せた」とエンジン全開だ。連投のエース辻本宙夢(3年)も疲労を考慮し、4回で降板。救援の村木文哉(1年)が最速138キロの直球を軸に2回1/3を被安打1に抑える収穫もあった。「2日で22回は2試合分より長い。連戦が早く経験できて意味がある」と岸山。苦しんでつかんだ1勝の価値は高いようだ。【藤中栄二】