<高校野球兵庫大会:社3-0明石商>◇24日◇準々決勝◇明石トーカロ

 社が過去最高の4強に並んだ。背番号10を付ける平内(へいない)翔太投手(3年)が2安打8奪三振で完封勝利。9回には2死満塁のピンチを招いたが、最後の打者を見逃し三振に仕留めた。「最後は三振を狙っていたので取れて良かった」とほおを緩めた。

 元ダイエーの永井智浩投手を叔父に持つ最速146キロの右腕。福岡に住む叔父とは会う機会も少ないが、小学生のころ、地元明石市に帰ってきた時にはキャッチボールをしたり、試合を見に来てもらっていた。今大会の3回戦舞子戦(6-0)にも応援に駆けつけていた。

 中学から本格的に投手となったが、そのころから肘を痛めていたこともあり、昨年9月末に右肘の手術を行った。本格的に投げられるようになったのは今年4月。この日は復帰後初となる完封勝利だった。昨年夏は背番号1を付け、最速140キロだったが、術後には体を一回り大きくした。ウエートトレーニングや食生活改善で65キロから72キロに。直球の最速も6キロアップした。

 平内をはじめ、今年のチームは投手層が厚い。先発を除き、5人の投手が控える。橋本智稔監督(47)は「うちの強みはたくさん投手がいること。枚数がいるから先発がダメでも2番手、3番手とできることが大きい」と手応えを口にした。OBでもあるオリックス森脇浩司監督の快進撃に負けじと、自慢の投手力で突き進む。【辻敦子】

 ◆平内翔太(へいない・しょうた)1996年(平8)12月17日、兵庫・明石市生まれ。錦が丘小1年からソフトボールを始め、小学4年からは「魚住フェニックス」に所属。魚住東中では軟式野球部に所属し投手。社では1年秋に背番号10、2年夏は背番号1。最速146キロ。変化球はカーブ、スライダー、フォーク、チェンジアップ。家族は両親と弟。182センチ、72キロ。右投げ右打ち。