「九州NO・1野手」として注目されるのが鎮西・立岡宗一郎(3年)だ。走攻守3拍子そろった逸材をプロ12球団がマークしている。

 50メートル走は6秒7。遠投105メートルという逸材の「武勇伝」はまず高校入学時につくられた。入学直後、いきなりベンチ入りした春季九州大会では、満塁で迎えた初打席で右フェンスに直撃する三塁打を放った。試合が降雨ノーゲームとなったため記録は「幻」となってしまったが、ひと振りで天性のセンスとパワーを見せつけた。

 高校通算本塁打は27本。昨秋まではクリーンアップだったが、春から1番に座った。「立岡が1番になってから打線がいい回転をするようになってきましたね」と江上寛恭監督(41)が評するように、公式戦では第1打席はすべて出塁している。「最初に打席に立てるのがうれしいです。1番になってボールに手を出さなくなって打てる球をしっかりとらえられるようになりました」。甲子園へのラストチャンスで、夏の主役になる。