<高校野球西愛知大会:享栄5-0星城>◇21日◇4回戦

 今秋のドラフト指名候補の享栄・八木亮祐投手(3年)が熱田球場で行われた星城戦に先発。5回2安打無安打と好投し、チームも5-0と快勝した。これで八木は初戦の春日井西戦から続く大会の連続無失点を19イニングに伸ばした。東愛知大会では今大会3本塁打を放っている中川大志投手(3年)を擁する桜丘が刈谷に4-5とサヨナラ負けを喫した。また、全試合終了後に再抽選が行われて準々決勝以降の組み合わせが決定した。

 プロ注目の左腕・八木が初戦から続けている連続イニング無失点を19まで伸ばした。この日は5回を投げ奪三振こそ2個に止まったが、最速140キロの直球とスライダーを中心に星城を寄せ付けなかった。高校球界屈指の左腕は「夏は投げる試合すべてゼロで抑える気持ちで投げています」。試合後にはなんとも頼もしいコメントを残した。

 初戦の春日井西戦では5回参考ながら無安打無失点試合を達成。3回戦の小牧南戦では9回無失点で16奪三振を記録した。この日は佐藤友昭監督(39)から20日の練習後にもらった「夢を現実に!

 絶対いくぞ甲子園!

 」と書かれたカードを後ろポケットに忍ばせて投球。「(無失点は)これのおかげです」とおどけてみせた。

 ネット裏に陣取った7球団19人のスカウトの評価もうなぎのぼりだ。地元・中日の中田スカウト部長は「左ピッチャーとして考えれば、コントロールも安定している。プロとしては使いやすい投手」。阪神北村スカウトは「前回よりも腕の振りが良くなっている」と評価した。

 次戦は優勝候補筆頭が待ち受ける。この日、再抽選が行われ22日の準々決勝の相手は中京大中京に決まった。昨秋の県大会名古屋地区予選決勝では4-3と競り勝った。八木も2番手として登板し勝利に貢献するなど悪いイメージはない。「どこと当たっても同じ。この夏のためにやってきたので、連投には自信がある」。13年ぶりの夏の甲子園出場へ向け、八木がフル回転する。【桝井聡】