<高校野球西東京大会>◇28日◇準決勝

 西東京は27年ぶりとなる日大勢の決勝対決となった。日大三が日野を7-6で、日大二が小平を5-2と都立勢を破り「兄弟」で甲子園切符を争う。

 日大三はエース関谷亮太投手(3年)が決勝に導いた。もっとも、貢献したのは投球ではなく、自らのバットだった。日野に先手を取られる苦しい展開。そんな流れをひと振りで変えた。2-6で迎えた6回裏無死満塁の場面だった。

 初球、真ん中高めの直球を「無我夢中で」振り抜いた。打球は中堅を越え、走者一掃の二塁打となった。これで1点差。普段はクールな関谷が、この時は二塁ベース上でガッツポーズを見せた。「(投球では)低めに集められなくて。スピードもなかったし、自分でなんとか流れを引き寄せたかった」と振り返った。

 エースの一打に、味方打線も奮起し、7回には敵失に乗じて2点を奪って逆転。関谷の投球もよみがえった。7回以降は無失点、140球を投げ抜いて完投した。関谷は「優勝するためにやってきた。相手が誰でもあと1つ、絶対に勝ちます」と言い切った。

 小倉全由監督(52)も日大二との兄弟対決は意識していない。「相手がどこでも関係ない。それより今日の出来が悪すぎたから、引き締めないと」。相手より選手の奮起が先決といいたげだった。