<高校野球愛知大会>◇28日◇準々決勝

 愛知のライバル対決で、中京大中京が愛工大名電を15-0の5回コールドという記録的大差で下した。11安打15得点と爆発。初戦から4試合連続のコールド勝ちでの4強入りとなった。

 1回、先頭打者の1番山中渉伍主将(3年)が遊撃内野安打で出塁すると、“安打ショー”が開幕した。初回で144キロ右腕の余語(よご)を完全に攻略。5、1、4、5とスコアボードに得点を並べた。

 記録的な大勝だった。中京大中京と愛工大名電の対戦は愛知屈指の好カードと評される。夏の愛知大会では過去20度対戦し、中京大中京が12勝8敗と大きく勝ち越しているが、最大得点差は5点が最大。15点も点差が開き、得点によるコールドで試合が決することは初めての“事件”だった。

 今春センバツでは8強入りしたが、頂点に届かなかった。決勝に残ったのは清峰(長崎)と花巻東(岩手)。150キロ超の本格派がいる2校だった。センバツ後の練習では打撃マシンを150キロから160キロに設定するなど、速球派投手を想定して打撃練習をしてきた。大藤敏行監督(47)は「(清峰の)今村君や(花巻東の)菊池君を見て、こんな高校生がいるんだと思った。それくらいしないと甲子園では勝てないと思っていた」と話した。

 あと2つで甲子園切符が手に入る。山中主将は「愛知で試合が出来るのはあと2試合。思いっきりやりたい」と目を輝かせた。記録的な勝利を挙げた中京大中京の勢いは、止まりそうにない。【桝井聡】