<高校野球滋賀大会>◇29日◇決勝

 滋賀学園が7-1で近江を撃破、春夏通じて初の甲子園出場を決めた。

 その瞬間、滋賀学園の選手と山口達也監督(38)の目には涙があふれていた。苦節10年。女子校から校名が変わり「男子なら誰でも来い」というところから始まった。「地域の応援あっての野球部」と地域密着をめざし、田植えや、東近江市の名物大凧まつりの清掃などにも積極的に参加した。そんな努力がついに夢舞台へとたどり着かせた。

 初回、1死一、二塁で4番稲垣竜次内野手(3年)が左翼線に先制の適時二塁打を放つ。前日は監督と夜中まで3時間半マシンを打ち込んだ。「おまえしかいないと言われていた。思いっきり振りました」。棚上拓也投手(3年)も粘り強く投げた。秋季大会近江戦、満塁弾を浴び2-4で敗れた。「1球の怖さを知った」。これを境に直球を封印し、打たせて取る大人の投球に変わった。この日は、12安打を浴びながら1失点。30日が18歳の誕生日。「(決勝戦が)もう1日伸びればよかったんですけど」とはにかんだ。

 ◆滋賀学園

 1984年(昭59)に八日市女子として創立、99年4月の共学化に伴い現校名となった私立校。普通科のみ。04年から指定を受け、英語教育に力を入れる。生徒数は546人(うち女子228人)。野球部は99年創部で、春夏通じて初の甲子園出場。所在地は東近江市建部北町520の1。清水忠和校長。