<高校野球三重大会>◇29日◇決勝

 三重が宿敵の海星を9-3で下し、3年ぶり10回目の夏甲子園出場を決めた。1点リードの8回に高校通算1本塁打の7番松田渉吾外野手(2年)が「1点がほしかったんで振り抜いたら入った」とビックリの満塁弾。この一撃で粘る相手を振り切った。

 決勝は三重県を代表する両雄の直接対決だった。三重は過去夏の甲子園出場を争う決勝で海星に5戦5敗。「6度目の正直」で先輩たちの無念も晴らした。就任2年目の沖田展男監督(31)は昨秋、海星に練習試合を申し込んだ。県内の強豪同士の練習試合は両校関係者が「記憶にない」と話す禁じ手だが、同監督は「批判もありましたが、夏勝つには、いろんな学校を知らないと」とあえて強行した。これが実を結んだ。高校通算40本塁打の注目の4番宮武佑磨外野手(3年)は「柔らかいバッティングを見てほしい。目標は甲子園優勝です」と話した。

 ◆三重

 1961年(昭36)創立の私立校。生徒数1697人(うち女子703人)。野球部は創立と同じ61年創部。甲子園は夏10度目、春は9度出場。主なOBはオリックス梅村。所在地は松阪市久保町1232。垂髪(うない)隆一校長。