<高校野球愛媛大会>◇30日◇決勝

 四国の怪物が舞った。済美を13-2で破り2季連続の甲子園出場を決めた西条ナインが、自然発生的に秋山拓巳(3年)を胴上げする。超高校級の巨体が、照れながら3度、宙を舞った。「絶対に甲子園に行く」と誓った大一番。投げては4安打2失点(自責点0)完投。打っても先制の適時三塁打を含む2安打2打点と大暴れした。

 3476グラムで生まれた秋山は、3カ月で9キロ、2歳で17キロと成長した。四国でテレビ放映される巨人戦に、息子と一喜一憂した父正二さん(45)は「いつかはプロに、そしてメジャーに」と願い、キャッチボールの相手を務めた。

 西条は今春のセンバツ1回戦でPL学園(大阪)に0-1で敗れた。だが「今は新球・カットボールがある」と秋山。プロ注目の、そしてプロ志望の怪物が、さらに成長した姿で聖地に戻ってくる。【佐藤貴洋】

 ◆西条

 1896年(明29)創立の県立校。生徒数965人(うち女子534人)。野球部は創立と同じ96年創部。部員数は78人。甲子園出場は夏5度出場し1956年に優勝。春は6度。主なOBは元巨人監督の藤田元司氏、タレントの真鍋かをり。所在地は西条市明屋敷234。河野敏校長。