<高校野球大阪大会>◇1日◇決勝

 全国最後の甲子園切符は、PL学園がつかんだ。PL学園が10-0と関大北陽に圧勝し、5年ぶり17度目の出場を決めた。背番号10の左腕・井上大樹(3年)が完封し、府内無敗の23連勝。85年の同校以来となる秋、春、夏と「完全制覇」で春夏連続の甲子園に乗り込む。

 エース左腕不在の危機を、もう1人のサウスポー井上が救った。PL学園の大阪決勝で、87年野村弘樹(現横浜投手コーチ)以来の1人完封。クールに投げ続けてきたが9回、最後の打者を空振り三振に取った瞬間、ガッツポーズをつくって喜びを表した。

 「中野が投げられないから優勝でき来ないとは言われたくなかった」。背番号1の中野とは普段から仲がいい。だが当然、ライバル心を燃やしてきた。「同じ練習をやっていては勝てない」と、中野が1時間走ればその倍を走った。井上も左ひじ痛を抱えていた。だが「痛みに負けてられない」と河野監督の起用に応え続けた。

 前日の準決勝履正社戦は5回途中3失点KO。自分に腹が立って仕方なかった。前夜「決勝は必ず完封する」とチームメートに宣言。約束を果たした。甲子園では中野に代わり、1番を背負う。「井上でも勝てる。そう思われる投球をしたい」と胸を張った。