みちのくの雄、仙台育英(宮城)がいよいよ出陣だ!

 11日、第92回全国高校野球選手権(甲子園)1回戦で開星(島根)と対戦する。10日は兵庫県内で最終調整を行った。全出場選手中2位の打率(7割6分5厘)を引っさげ甲子園に乗り込む庄子光右翼手をはじめ、宮城大会決勝で戦後最多の28得点を奪った打撃陣は絶好調。それを鈴木亮平応援団長(ともに3年)が作ったバラエティー豊富な応援歌で後押しする。

 投手陣にばかり頼っていられない。練習で打撃陣は打ちまくった。佐藤貴規中堅手(3年)は4本の柵越え。地区大会10打数以上で北照(南北海道)の伊藤陽一右翼手(2年)の8割1分8厘に次ぐ、全国2位の打率を誇る庄子も「絶好調です」と手応えを感じている。身長185センチの大型横手投げ右腕・白根尚貴を攻略するには2人の活躍が必要だ。

 「下位打線から盛り上げたい」と庄子。県大会でも7番佐々木憲二塁手(3年)が5割2分6厘、8番庄子が7割6分5厘とチーム1、2位だった。庄子は「ナチュラルシュートに気をつけたい」と警戒した。

 佐藤は「相手はボール球を振らず甘い球だけ狙えばカーッとなるって佐々木監督に言われた」と話す。左打者を苦手とし、ストライクが入らないというデータもある。上り調子の主砲に長打も期待できる。

 強力打線の能力をさらに引き出すのが鈴木応援団長の役目だ。普段からテレビCMを小まめに研究。選手の特徴に合わせ、それをネタもとにどんどんアイデアが広がる。大阪のホテルでは、のどをからさないよう冷房の温度は25度以上に設定。本番では、のどあめも用意する予定だ。アルプス席での応援歌ヒットパレードが打線の「ヒット」を引き出すはずだ。

 創部80周年の記念すべき年の大舞台に、佐々木順一朗監督(50)は「甲子園という意識はない。もう1回予選が始まるんだという感覚」と気を引き締める。グラウンドとアルプス席の魅力あふれる選手たちが、全国制覇への戦いを始める。【三須一紀】