コール・カルフーン(2022年9月22日撮影)
コール・カルフーン(2022年9月22日撮影)

右脇腹を痛めているエンゼルス大谷翔平投手(29)の様子を、ガーディアンズのコール・カルフーン外野手(35)が気にかけていた。記者とあいさつを交わすと「オオタニは元気?」と問いかけてきた。19年まで8年間、エ軍に在籍したベテラン選手。マイク・トラウト外野手(31)とともに大谷の兄貴分的な存在として、チームを支えてきた。

20年から生まれ故郷で地元球団でもあるアリゾナ・ダイヤモンドバックスに移籍した。22年は、エンゼルスと同地区のレンジャーズに所属。投手大谷と対戦する機会もあった。昨季、ある日の試合前には2人が思いっきりハグを交わし、楽しそうに会話する姿もあった。まるで、弟のような存在。カルフーンに聞くと、「そうだね。(背が高いから)ビッグ・ブラザーだよ」と笑っていた。

18年シーズンから2年間、大谷と同僚だった。「メジャーにやってきた時も、彼は謙虚でとても温かい人だった。よく質問もしてきたよ。あれだけの経歴とビッグネームで来て、そういう風に振る舞えるのを見て、本当にリスペクトしていた。彼も、僕をとてもリスペクトしてくれた。そういう人と出会えたのは素晴らしいことで、会えるときはいつもナイスだね」。当時を振り返る姿はどこかうれしそうだった。

大谷の入団当初から、エ軍のクラブハウスには日本人メディアが多く詰めかけた。見覚えのある記者に久々に会うと、「元気かい?」とあいさつを交わし、がっちり握手をしてくれる。この日も、慣れない英語で懸命に質問をしようとしている日本人メディアの言葉を理解しようと、聞き取りに集中していた姿が印象的だった。

今季はマリナーズ、ヤンキース、ドジャースとマイナー契約が続く苦労もあった。チームを転々とし、4球団目でようやくメジャー契約を勝ち取った。古巣エンゼルスの本拠地では打席に立つと、声援と拍手も聞こえる。「すごくうれしいね。最高だし、たくさんの親しい人たちの顔を見られて、とても特別なこと」。風格があり、ちょっぴりこわもてだが、優しさも醸し出す。頼れるカルフーン兄貴は、今も健在だった。