通算走行距離・6400キロ。

 メジャーのキャンプもいよいよ佳境に入り、開幕まで残すところ、あと数日となりました。今季はアリゾナにキャンプ地のあるマリナーズ・イチローをはじめ、エンゼルス大谷、カブス・ダルビッシュ、ドジャース前田、ダイヤモンドバックス平野、パドレス牧田と、多くの日本人選手が集結したこともあり、各地を巡回する日々が続きました。6400キロといえば、日本列島を北から南まで往復するよりも長いみたいですが、言うまでもなく、この走行距離が取材の成果と一致しているわけではありません。

 ただ、選手だけでなく、各担当記者にとっても、キャンプは公式戦までの準備期間として、とても重要な時期? と言われています。というのも、「ノンビリ」「まったり」し過ぎて、体も頭も緩みきったオフ期間から一転、早朝から選手を待ち受け、容赦なく照りつける太陽の下で取材し、原稿に追われる日々に変わります。たとえば、ある民放テレビのクルーの場合、早朝8時前にキャンプ施設へ到着し、ナイター後は午前0時過ぎまで編集作業をこなしている日もありました。朝晩は冷え込みが厳しく、日中は気温25度を越えるなど、寒暖の差が激しい砂漠気候のアリゾナだけに、服装にしても2種類の対応が必要で、日々の体調管理も簡単ではありません。

 キャンプ序盤は、練習取材が大半ですが、後半になると試合の取材が中心となり、少しずつ「実戦モード」に変わっていきます。当初は、読みにくい文字でメモ帳に殴り書きしていたのが、多色ボールペンを使い分けながらスコアブックに丁寧に記すようになると、まさに「球春間近」となるわけです。

 利用する交通手段も、キャンプ中の車移動から、シーズンが始まると飛行機移動に変わります。

 というわけで、今シーズンの飛行距離は、いったいどれくらいになるのでしょうか。いずれにしても、今キャンプ中に自動車で走行した6400キロが、ほんの短い距離に感じてしまうようになることは間違いなさそうです。