米国のマイナーリーグなどで経験を積んだ加藤豪将内野手(28)が、日本ハムからドラフト3位で指名され、正式に入団しました。

今季はブルージェイズで開幕メジャーをつかみ取り、プロ10年目(20年はコロナ禍でマイナー公式戦は中止)でメジャー初安打もマークしました。ヤンキース入団直後は、主に遊撃、二塁を守っていましたが、器用で適用力が高いこともあり、その後は内野の全ポジションだけでなく、外野もこなすようになりました。その間、加藤自身、真剣に「どこでも守れるユーティリティー選手」を目指すようになりました。ちょうどメジャーでは「ユーティリティー選手」を必要とする球団が増えた時期でもあり、パドレスやブルージェイズは、起用法の幅が広い加藤のような選手を必要として契約しました。

もっとも、たとえマイナー契約とはいえ、メジャーで実績のない選手が、何年もプレーできるほど甘い世界ではありません。加藤の野球に取り組む姿勢、常に笑顔を絶やさず、誰からも愛される人間性があるからこそ、長い間、マイナーでもプレーできたと言ってもいいでしょう。

13年ドラフトでヤンキースから2巡目(全体66位)から指名されてプロ入りしましたが、名門UCLA(カリフォルニア大ロサンゼルス校)にフルスカラシップ(全額奨学金)での入学が内定しており、まさに「文武両道」の選手でした。尊敬するイチロー氏が引退した後には、デレク・ジーター氏が立ち上げたスポーツ専門サイト「ザ・プレーヤーズ・トリビューン」に長文を寄稿。思慮深く、イチローへの感謝の思いを込めた文章が、米国内で話題を集めました。今回、日本ハム入団の際に配布された日本語でのメッセージに、加藤の知性や人柄を感じたファンの方も多いはずです。

日本ハムでは、貴重な即戦力として期待されているだけでなく、外国人選手とのパイプ役も担うことになるはずです。米国でメジャーを含めた全レベルを経験し、今後、日本でプレーするとなれば、将来的には、日米を問わず、優秀な指導者になる可能性も高いと思います。

早くもチームの練習に参加し、来季へのスタートを切った加藤の日本での活躍を、多くの米国ファンも楽しみに見守っています。