ショータイムならぬエンゼルス大谷翔平投手(27)の「賞タイム」が止まりません。今オフの受賞ラッシュは18日(日本時間19日)、ア・リーグMVPの満票選出でハイライトを迎えました。さらに23日(同24日)には、大リーグ全体のベストナインに相当する「オールMLBチーム」でも、DHでファーストチーム(ベストナイン)、先発投手でもセカンドチーム(準ベストナイン)入り。史上初の投打で選出される快挙に沸きました。

29日(日本時間30日)には、ア・リーグ最優秀指名打者に贈られる「エドガー・マルティネス賞」の発表が控えています。これは、各球団の担当記者や広報担当者らによる選出です。大谷はすでに、各球団の監督、3人のコーチらの投票で決まるシルバースラッガー賞をDH部門で受賞。2つの賞は選出方法こそ異なりますが、同じ選手が受賞する傾向が強く、29日も大谷の名前が呼ばれる可能性は高いでしょう。

また、大谷は野球、スポーツ専門誌でも年間最優秀選手賞を総なめしている状況です。こちらもすでに、「ベースボール・ダイジェスト」「ベースボール・アメリカ」「スポーティング・ニューズ」で受賞。大トリで残るのが、米スポーツ・イラストレーテッド誌選出による「スポーツパーソン・オブ・ザ・イヤー」、つまりスポーツ界の年間最優秀選手賞です。

1954年に同賞が制定されて以来、フィールド内外で勝者となった選手を選出。競技の実績以外に社会的貢献も重視し、「活動家のアスリート大賞」とも称されています。昨年はテニスの全米オープン女子シングルスで3度目のグランドスラム優勝を飾り、人種差別への抗議行動にも積極的に関わった大坂なおみら5人が選出され、日本でも大きな話題となりました。

大リーガーでは過去17人が受賞しています。最近では2009年に自身5度目の世界一となったヤンキースのデレク・ジーター遊撃手、2014年にナ・リーグ優勝決定シリーズ、およびワールドシリーズMVPに輝き、自身3度目の世界一となったジャイアンツのマディソン・バムガーナー投手、2017年にア・リーグMVPに輝き、球団史上初の世界一にも貢献したアストロズのホセ・アルトゥーベ二塁手が選出されています。

こうして見ると、ワールドシリーズで優勝した選手ばかり目立ちますが、必ずしもそうとは限りません。過去に偉大な記録や偉業を成し遂げた選手もいます。1995年に不滅の大記録を破る2131試合連続出場を果たしたオリオールズの“鉄人”カル・リプケン・ジュニア遊撃手や、1998年に史上空前の本塁打レースを演じたカージナルスのマーク・マグワイア一塁手、カブスのサミー・ソーサ外野手の両スラッガーが選ばれています。

今年は12月7日(同8日)に同賞が発表される予定。はたして、大谷が「スポーツ界のMVP」にも輝くか注目したいです。【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)