ヤクルトからポスティングシステムでメジャー移籍を目指していた村上宗隆内野手が、なんとホワイトソックスと2年総額3400万ドル(約52億7000万円)で契約しました。これには正直なところ、全く予想外の球団だっただけにビックリ仰天しました。
しかし、よく考えると最高のチームを選んだと思います。なぜなら、本人いわく「(3年連続100敗以上で)これからのチーム」であることはもとより、2020年にア・リーグMVPに輝いたホセ・アブレイユ以来、真のホームランバッターが不在。そして、何より本拠地球場でのホームランが最高の盛り上がりを見せるからです。
1960年、ホワイトソックスの奇抜なオーナー、ビル・ベックが、本拠地コミスキーパークでホームランが出るとスコアボードから花火を打ち上げる、いわゆる「爆音スコアボード」を考案。ピンボールマシンにヒントを得たものでした。大リーグの球場史上初めて花火が打ち上がりました。
それに加えて、77年に大リーグ最高のオルガン奏者と言われるナンシー・ファウストさんが地元シカゴ出身のロックグループ「スティーム」による大ヒット曲「Na Na Hey Hey Kiss Him Goodbye」の一節を奏でたところ、ファンが声高らかに大合唱。場内はたちまちお祭り騒ぎとなりました。
その後、90年当時、現存最古の球場は歴史に幕を閉じましたが、翌91年に新球場がオープンしてからも伝統ある爆発スコアボードを再現しました。2010年限りでナンシーさんは引退しましたが、昨年、球団創設125周年を記念し電撃復帰。メジャー30球場の中でも最高のホームランシーンを演出しています。
話は変わりますが、ホワイトソックスで村上の背番号「5」にも感動しました。なぜなら、今年殿堂入りしたディック・アレンが「15」、メジャー通算612本塁打を誇る殿堂入りジム・トーミが「25」、通算512本塁打の殿堂入り「ビッグハート」ことフランク・トーマスが「35」と、下1桁「5」はホームラン打者がズラリ。さらに元NBAのスーパースター、マイケル・ジョーダンが同球団でメジャー挑戦したときは「45」と伝説のヒーローたちが並ぶからです。
ついでに言うと、本人が入団会見で「ムネと呼んで下さい」とコメントしたのに対し、クリス・ゲッツGMや地元記者たちはムネを「ムーニー」と発音。これにも訳があり、球団史上初の黒人選手で「ミスターホワイトソックス」こと殿堂入りしたミニー・ミノーソの名前と重ね合わせているからだと思います。
話を戻すと、米映画「オンリー・ザ・ロンリー」でも旧コミスキーパークで夜空に花火が打ち上がるシーンが描かれていたように、現在の本拠地レートフィールドも爆音スコアボードと花火が球場のシンボル。それにナンシーのオルガン演奏が加われば、場内はムード満点といった感じです。
ロサンゼルスのドジャースタジアムで大谷翔平投手のホームランにも勝るぐらい、メジャー最高のホームランシーンに感動すること間違いなし。そういった意味でもチームにとって待望のホームランバッター、村上の1発に大きな期待が寄せられます。【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)









