球速測定アトラクションとSNSによって造園業からメジャーへの道を歩き始めた若者がいる。現地8月2日にアスレチックスとマイナー契約を結んだネーサン・パターソン投手だ。

23歳のパターソンは7月にロッキーズの試合を観戦に行った際、雨天で試合開始が遅れたことからスタジアム内の球速測定アトラクションに挑戦、その際最速154キロ、平均でも144キロ以上の投球を連発したのである。そしてその様子の動画を兄弟のクリスチャンがSNS、ツイッターに投稿したところ大きな話題となり、契約に至ったのである。

ただこの動画だけですぐ契約につながったというのは誤解だと本人は語る。

パターソンは高校までカンザス州で野球をプレーしていたものの、投手ではなく内野手だった。卒業後はプレーを辞め、一時短大に進学するも2カ月後には造園業の職に就いた。その後テキサス州、テネシー州と移り営業の仕事をしながらアマチュアリーグで再びプレーを始めたがやはり内野手だったという。転機の始まりといえたのが昨年の8月で、トリプルAのナッシュビル・サウンズの試合に行った際、球速測定アトラクションに挑戦したところ154kmを記録したのだ。

このことについてパターソンは「ジョークだと思った。もう少し投げさせてもっと稼ごうと下駄を履かせてるんだと思った」と語っている。しかしこれがコーチの目に止まり、野球でのキャリアを目指すことを薦められたのである。こうしてパターソンはナッシュビルの施設で投球練習を開始した。ただ12月に交通事故に遭い、心が折れそうにもなったという。その後、今年7月の動画につながるのだ。

さらにパターソンはPitching NinjaとFlatgroundというツイッターのアカウントも契約への大きな助けになったとしている。Pitching NinjaはMLBでの見事な投球の動画を集めて紹介しており、Flatgroundは様々な投手の投球、身長、体重、学業成績などを紹介している。どちらもプロからも参考にされており、この2つで紹介されたことが大きかったというのだ。

いずれにせよSNS時代ならではの見いだされ方といえそうだ。パターソンは「ここにいることに本当に感謝し、興奮している。目標はメジャーに上がること。それが優先順位の1位だ」と意気込みを語っている。パターソンがメジャーデビューを果たすことができるか、これからが楽しみである。