投手としての史上最高額契約が2日連続で更新されることとなった。スティーブン・ストラスバーグとゲリット・コールだ。

現地9日、ナショナルズは同チームからFAとなっていたストラスバーグと7年間の再契約を結んだと発表した。報道によれば年俸総額は2億4500万ドルで、これは2015年にデビッド・プライスがレッドソックスと結んだ7年2億1700万ドルを上回る投手としては史上最高額となる契約だった。平均年俸3500万ドルも投手最高額となったのである。

ストラスバーグは2009年のドラフトで全体1位指名を受け、ナショナルズに入団。ケガはあったものの、2014年以降連続して10勝以上をマークし、今シーズンは自身最多の18勝を挙げた他、ワールドシリーズでは2戦2勝し、シリーズMVPにも選出されている。残り4年の契約を破棄してFAとなっていた。

ただこの契約と同時に報じられることになったのが、これでコールがストラスバーグを上回る契約を得ることになるだろうという予測だった。

コールは2011年のドラフトでパイレーツから全体1位指名を受け入団すると2013年には10勝を挙げている。2016年に腕のケガで7勝どまりだった以外は10勝以上を挙げており、昨年アストロズにトレードされても15勝を記録。今シーズンは自身最多の20勝だけでなく、リーグ最優秀防御率の2.50と同最多奪三振の326という投手2冠を達成していた。さらにまだ29歳で、ストラスバーグやプライス、ナショナルズのマックス・シャーザー(7年、2億1000万ドル)、アストロズのザック・グレインキー(6年、2億650万ドル)が大型契約を結んだ時よりも若い点がより高額な大型契約になるであろうという要素にも挙げられていたのである。

こうしたことから今オフに大型補強の意向を明らかにしていたヤンキースは、ストラスバーグとコール両名の獲得に意欲を見せ、地元紙ニューヨーク・タイムズはコールに対し、7年2億4500万ドルを提示していると報じていた。

そしてストラスバーグの契約発表の翌日、現地10日に現地メディアが一斉に報じたのがコールとヤンキースの契約合意である。その内容は9年3億2400万ドル。平均年俸は3600万ドルで、総額、平均年俸とも前日に結ばれたストラスバーグを上回るものだ。

総額が3億ドルを上回る現役選手はコール以外に、エンゼルスのマイク・トラウト外野手、フィリーズのブライス・ハーパー外野手など4人しかいない。

今回の2人の契約の動きは、FA市場がどんなものなのかが改めて示された形だ。

10月、ドジャースとの地区シリーズ第5戦に先発し力投するナショナルズ・ストラスバーグ
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