現地10日、ニューヨークの地元紙ニューヨーク・ポストはMLBがプレーオフの開催形式を大幅変更することを検討していると報じた。

ワイルドカードの1チームを含め各リーグ5チームが進出する現在の方式から、各リーグの地区優勝3チームとそれを除いた勝率上位4チームをワイルドカードとして進出させるというものだ。

この新しい方式では各リーグで最高勝率を挙げたチームはプレーオフ第1ラウンドであるワイルドカードシリーズが免除され、第2ラウンドの地区シリーズに進む。残りの地区優勝2チームとワイルドカードで最高勝率のチームは3回戦制のワイルドカードシリーズで3戦ともホームで戦うことができる。ワイルドカード下位3チームにはホームゲームは与えられない。

さらにワイルドカードシリーズをホストすることになる3チームには対戦相手を選ぶ権利が与えられる。例えば各リーグで2番目の勝率を残したチームが最初の選択肢を獲得し、3番目の地区優勝チームが次の選択をし、残った2チームが対戦するといった具合だ。記事によればこの選択はレギュラーシーズンが終了した日曜の夜に行われ、テレビで生放送されるのだという。

この方式変更はプレーオフのテレビ中継視聴者数増加、さらにはテレビ局との放映権契約を増やすことが目的だとしている。MLBは最近地上波Foxとの契約を2028年まで延長し、同局にワールドシリーズと2つの地区シリーズ、リーグ優勝シリーズの放送独占権を与えた。その一方でケーブルチャンネルであるESPNとターナーとの放映契約は2021年までとなっている。

記事によればMLBは2022年にプレーオフの新方式導入を目論んでおり、実現できれば放映権料のアップや新たなメディアパートナー、テレビ局だけでなくアマゾンやDAZNのようなストリーミングサービスとメディア契約を結ぶ可能性も高まる。

またプレーオフの試合数が増えることで試合を途切れることなく連続して開催することも可能になるし、1日に最大6試合開催することもでき、それも注目度を高めるという点でテレビ局にとって魅力となると考えているようだ。

このようにビジネスの観点から検討されているプレーオフの変更だが、一番の課題は労組であるMLB選手会が承認するかどうかだ。現在の労使協定は来シーズンで失効するため、更新への交渉で大きな論点となるかもしれない。