メジャー通算51勝を挙げた元横浜(現DeNA)の大家友和投手(41)が現役引退を決断したことが19日、分かった。今季は8年ぶりのメジャー復帰を目指しオリオールズ傘下のマイナーキャンプに参加したが、3月末に契約解除され、その後は他球団からのオファーもなかった。

 高校卒業後、横浜での5年間でわずか1勝。転機は99年の渡米だった。「このままでは活躍する場もなく終わってしまう」と不退転の決意で海を渡った。レッドソックスのマイナーキャンプからのスタートだったが「大リーグでやる自信がなければここに来ていない」との言葉どおり、マイナーで好投を続けメジャー昇格を勝ち取った。その後もエクスポズ(現ナショナルズ)などで先発投手として活躍。2桁勝利を3度マークするなど、マイナーたたき上げの日本選手では通算最多勝利を挙げた。

 10年、古巣横浜に復帰。翌11年に右肩手術を受け、その年限りで自由契約になった。術後は球威が戻らないと、ナックルボーラーに転向。日米の独立リーグなどでナックルを磨き、オ軍スカウトから高評価を受けキャンプに参加した。「マイナーでも開幕に残るのはかなり厳しい」と覚悟していた通りの結果となったが、最後までメジャー復帰を目指し続ける執念を見せた。

 ◆大家友和(おおか・ともかず)1976年(昭51)3月18日、京都府生まれ。京都成章から93年ドラフト3位で横浜入団。98年オフに希望して自由契約になりレッドソックスと契約。00年に3Aで完全試合達成。大リーグでは3度の2桁勝利を挙げ、通算51勝は日本人歴代6位。10年横浜復帰。11年退団後は昨年まで日米の独立リーグでプレーした。185センチ、91キロ。右投げ両打ち。