マーリンズのイチロー外野手(43)が4日(日本時間5日)、ナショナルズ戦で6試合ぶりとなる中前打を放ち、日米通算5862塁打(日本1889、米国3973)で王貞治(巨人)のプロ野球記録に並んだ。7回に代打出場し1打数1安打。代打安打はこれで今季24本となり、メジャー記録まであと4本に迫った。

 7回先頭で打席に入り、マウンド上には今季オールスターに選出された右腕キンツラー。2球で追い込まれたイチローだったが、4球目の高め93・7マイル(約150・8キロ)直球をたたき、打球は二塁手の横を素早く抜けた。これで日米通算5862塁打とし、王貞治のプロ野球記録に並んだ。

 6試合ぶりの安打で今季の代打安打は24本となり、代打の球団記録を更新中。95年にジョン・バンダーウォル(ロッキーズ)がマークしたメジャー記録のシーズン代打安打「28」まであと4本に迫った。

 代打中心での起用ながら、7月と8月は打率3割を超えた。今季打率は2割5分2厘でも、日米通算は3割2分3厘。プロ野球1位のレロン・リー(ロッテ)を3厘上回っており、仮にイチローが今後119打数連続で凡退してもリー以上の打率を維持する。

 そんな現役最年長野手について、試合前にマッティングリー監督は「素晴らしい選手。野球に敬意を払い、野球をとても大切にしている。そんな姿勢は周囲の者に、その大事さをあらためて思い起こさせる」と絶賛していた。「50歳まで現役」を目標に掲げるイチローだけに、新たな伝説が生まれ続けそうだ。