【ヒューストン(米テキサス州)12日(日本時間13日)=水次祥子】ヤンキース田中将大投手(28)が、今日13日に開幕するアストロズとのリーグ優勝決定シリーズ第1戦(日本時間14日午前9時8分開始予定)で、先発マウンドを託された。5月に対戦し自己ワーストの8失点を喫した相手。しかも投げ合うのはエース左腕カイケル。厳しい条件がそろう中、地区シリーズ第3戦で見せた快投の再現に挑む。

 ワールドシリーズ進出を目指すヤ軍が、田中に頼った。相手のア軍は打率、得点ともに今季リーグ1位の超強力打線。しかも投げ合う相手は2年前に20勝で最多勝のエース左腕カイケル。厳しい初戦にも、ジラルディ監督は「私は彼に全幅の信頼を置いている。ここ最近の彼の投球を見れば、彼には7戦中2試合に登板させたいと考える。第1戦に投げればホームでの第5戦もいける」と、自身の決断に自信を見せた。

 登板を翌日に控えた田中は「シリーズの初戦ということは、大きな意味を持つと思うんで」と神妙な表情。初戦に向けて「取りたいっていう気持ちは、強いです」と闘志を燃やした。ア軍とは5月に対戦し、自己ワーストの8失点で2回途中KOされた。それもあり、田中の第1戦抜てきは、地元ニューヨークの記者の多くから「サプライズ」と言われた。

 それでも田中は「あのときの自分とは違うっていうことは、言えますね」ときっぱり。前回登板の8日の地区シリーズ第3戦でも、過去に対戦成績の悪かったインディアンスを相手に7回3安打、無失点に抑えており「(過去の対戦成績は)関係ないです」。事実、5月にKOされた後にプレートの立ち位置を三塁側からかつての一塁側に戻し、配球も変わった。

 ジラルディ監督は「球速が出てスプリットとスライダーの切れがいいときは、彼はA・ゲーム(快投)をする。前回登板はしびれた」と、いいときの田中を絶賛。今日の登板でも、いい田中が出ることを信じて、マウンドに送り出す。