ポスティングシステムの譲渡金の上限が従来と同じ2000万ドル(約23億円)に設定されれば、既に大谷翔平のメジャー挑戦を容認している日本ハムにとっても見返りは大きい。事実上の「大谷ルール」ともいえ、米球界も注目する移籍を大きく前進させるものとなりそうだ。

 大リーグの労使協定では25歳未満でドラフト対象外の外国人選手は年俸が制限され、契約金も各球団で枠がある。23歳の大谷は大型契約を結べず、AP通信は契約金の最高額はレンジャーズの353万5000ドル(約4億円)としている。「譲渡金を含めても格安で獲得できる」(ア・リーグ球団関係者)と、この夏にはメジャーの球団幹部やスカウトが大谷を視察するため日本を訪れている。

 昨年までと同じ制度ならば、ヤンキースの田中やドジャースの前田と同様に譲渡金が最高額の2000万ドルになるのは確実だ。予算規模が小さい球団にとって2000万ドルは痛手かもしれないが、大谷との契約金、年俸に歯止めがかかっている以上、それでも高い買い物ではないだろう。