オリックスからダイヤモンドバックスへのFA移籍が決まった平野佳寿投手(33)が26日、大阪市内の球団施設でメジャー挑戦の報告会見を行った。晴れやかな顔で新天地への意気込みを語る中で、対戦したい打者にはエンゼルス大谷とともにオリックスの大先輩であるイチローを挙げた。

 「プロに入って初めて投げたのがイチローさんだったので」。平野が希望枠新人だった06年2月の宮古島キャンプで、WBC調整のため参加していた当時マリナーズのイチローと紅白戦で対戦。2打数1安打ながら初打席は直球で二ゴロに打ち取った。そんな貴重な経験が自信になった。

 その後は、ほぼ接点がなかったが、今月上旬に神戸市内の飲食店で、レジェンドと偶然再会。「(メジャーに)行くんでしょ? 頑張ってね」と励まされた。イチローの来季所属先は未定だが、平野は「同じ球場で、同じ空気を吸いたい」と12年ぶりの“再戦”を願った。

 ダ軍ではセットアッパーのブラッドリー、新加入のボックスバーガーと守護神の座を争う。「アピールして、自分のポジションを勝ち取りたい。ワールドチャンピオンになれるよう、ダイヤモンドバックスの力になりたい」。日本通算156セーブの右腕は、ルーキーの心境で、家族とともに海を渡る。【大池和幸】