エンゼルス大谷翔平投手(23)が1日、成田空港発の航空機で、今季の活躍の舞台となる米国へ旅立った。出発セレモニーでは、居合わせた約200人のファンの前で意気込みを語り、古巣・日本ハムの後輩、清宮へ期待を口にした。エ軍のキャンプはアリゾナ州テンピで、現地時間14日から行われる。まずは本拠地があるアナハイムで生活基盤を固め、その後、キャンプ地入りする。

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 旅立ちのときがきた。大谷は期待感いっぱいに、晴れやかな姿でファンの前に現れた。成田空港の出発カウンターに特設されたステージ。約200人の聴衆に、力強く言い切った。「とてもワクワクしています。新しい挑戦。自分の力を信じて頑張っていきたいと思います。(荷物は)最小限で来ました。パスポートと野球道具と“気持ち”があれば、何でもできると思う」。二刀流を貫き、極めてきた精神力で、米球界に挑む覚悟を示した。

 昨年10月の右足首手術から順調な回復を見せている。一方で、国内最後となった前夜は、ライトゴロでアウトになるという“悪夢”を見た。「最近楽しい夢を見ていない。変な感じはしますけど…」。壮大な挑戦を前に、不思議な体験に悩まされていることを明かした。

 約60キロ離れた羽田空港からはこの日、ヤンキース田中がメジャー5年目のシーズンへ向けて出国した。エンゼルスは開幕から1カ月後の4月27日から、本拠地エンゼルスタジアムでヤンキース3連戦が組まれている。夢の日本人対決へ期待も膨らむが「まずは試合に出ることが目標。チームの主力として、そこに加わっていけるように、キャンプからアピールしていきたいです」と誓った。

 古巣・日本ハムは一足早く、米アリゾナでキャンプインしている。日本球界で活躍を期待する選手を問われた大谷は「清宮君って言ってほしいんですか?」とニヤリ。わずか20日ほどだったが、寮では隣部屋だった注目ルーキー。「頑張ってほしいと思います」とエールを送り、「自分は自分のやるべきことをしっかりやって、目指すところに向けて一生懸命頑張っていければ」と見据えた。日本で輝かしい偉業の数々を残した大谷が、アメリカンドリームをつかむ。【本間翼】