メジャー公式サイトは13日、ダルビッシュ有投手(31)が「カブスに移籍してレベルアップする理由」を特集し、特にフォーシーム(直球)にスポットを当て詳細に分析した。

 同記事を書いたデービッド・アドラー記者は、まずフォーシームの回転数に注目。昨季フォーシームを500球以上投げた先発投手の中で、ダルビッシュ(2502回転\分)はメジャーを代表する投手のバーランダー(アストロズ、2552回転\秒)、シャーザー(ナショナルズ、2504回転\秒)に次ぐ3位だったことを指摘した。メジャーのデータ分析システム「スタットキャスト」によれば、フォーシームは回転数が多いほど球が落ちず、打者の空振り率が高くなるという。

 それを踏まえた上で、同記者は3人が投じたフォーシームの“高さ”に注目。昨季、ダルビッシュの球はプレートからの高さが平均2・36フィート(約71・9センチ)だったのに対し、バーランダーとシャーザーはどちらも平均約2・8フィート(約85・3センチ)。約15センチもの差が生じていた。一般的に低めへの球の方が効果的に見えるが、昨季スタットキャストが算出した指標「xwOBA(三振、四球、打球角度などに基づいた打者のパフォーマンスを表す指標)」によると、低めの直球よりも高めの直球の方が打者に対して有効的だったことが判明。実際、昨季ダルビッシュは高め(ここでの定義はストライクーゾーンの上3分の1)に33・3%しか投げていないが、その球の空振り率はメジャートップの42・2%(高め直球を100球以上投げた投手)だったという。

 カブスには、マドン監督から絶大な信頼を得ているジム・ヒッキー投手コーチ(前レイズ投手コーチ)が今季から移籍しているが、同コーチは高めの直球を効果的に使う投球術の指導で有名。同記事は「ダルビッシュの速球の回転数は、他の大多数の投手と比べて抜きんでている。彼を獲得したチームは、その点を生かして絶対的優位に立ちたいはずだ。彼は、自分にとって最適なチームに来た」と伝えている。