エンゼルス大谷翔平投手(24)が、16打席ぶりに安打を放った。マリナーズ戦に「2番指名打者(DH)」で出場。4打席目まで無安打が続いていたが、8回の第5打席で試合用ではなく練習用のバットを使用し、右翼フェンス直撃の二塁打を放った。メジャー10号は惜しくもならなかったが、復調の兆しを見せた。チームは13安打11得点で大勝した。

 相棒がやってくれた! エンゼルス大谷が、16打席ぶりに「H」ランプをともした。マリナーズ戦、8回2死の第5打席。バットを試合用から練習用に替えて臨んだ。「いつも頑張っているので、彼なら打ってくれるかなと」。願を懸けた。3球目、左腕エリアスの96マイル(約154キロ)の直球を捉えた。「フェンス越えるかなと思った」という打球は自己最速の打球速度113・2マイル(182キロ)を計測もあと数十センチ届かず、右翼フェンス直撃の二塁打。惜しくも節目の10号本塁打とはならなかったが、歓声が沸き起こった。

 メジャー最長、15打席連続で無安打だった。「(安打が)出ないと、打ち急ぐかなというのもある。普段通り打席の中で、(ボールを)見ていけないのかなという感じがする」と苦しんでいた。2番という慣れない打順で4試合連続出場。攻撃的に出塁と長打も求められる。「スイングの形もそうですし、見逃しているボールに対して、審判とのズレもあると思いますし、キャッチャーとのズレもある」と吐露するほど、状態は決して良くなかった。

 そんな中、試合前の練習で使用している相棒が救ってくれた。バットの芯が数センチはげるほど、使いこまれたもの。「普通、はじきが悪くて使わない」。使い込めば、ボールに対しての反発力が弱まる。フェンス直撃の二塁打も、試合用であれば、本塁打となっていたかもしれない。二塁上で首もかしげた。それでも「最後やっぱり(安打が)出た方が明日につながる」。相棒の助けもあり、トンネルを抜け出した。【斎藤庸裕】