【カールズバッド(米カリフォルニア州)6日(日本時間7日)=四竈衛、斎藤庸裕】イチロー、開幕メジャー確定-。大リーグのGM(ゼネラルマネジャー)会議が同地で開幕し、マリナーズのジェリー・ディポトGM(50)が、イチロー会長付特別補佐(45)の処遇について言及。来年の春季キャンプに招待選手として参加し、日本で行われる開幕2連戦(3月20、21日ともに東京ドーム)にベンチ入りすることを明言した。その後については未定だが、現役継続へ重要なステップを踏む。

これまで不透明だったイチローの将来が、具体的に見えてきた。GM会議に出席中のマ軍ディポトGMが、明瞭な言葉で来季の「開幕メジャー」を明かした。「大リーグのロースターの一員として日本へ行くことになる」。周囲による推測ではなく、球団内の決定事項としてイチローの「選手復帰」を明言した。

さらに、開幕戦後の立場について「その後については分からないが、オープンマインドでいる」と姿勢を示した。「オープンマインド」とは柔軟かつ広い心、つまり門戸を開けている状態。イチローの状態、さらにマ軍のチーム編成次第では、メジャーで継続してプレーする可能性まで踏み込んだ。

今季のイチローは開幕戦でスタメン出場したものの、故障者の復帰に伴い、5月3日にメジャーの登録枠から外れ、会長付特別補佐となった。試合中はベンチに入れなくなったものの、これまで通り全体練習を継続。若い選手にアドバイスを送るなど、献身的にチームを支えた。そんな姿勢を見てきただけに、同GMは「開幕日に4安打が見られるかどうか、私には分からないが、彼は素晴らしい準備をしているし、チャンスを与えたいと思っている」と開幕スタメンにも含みを持たせた。

前週中には、本拠地シアトルでトレーニング中のイチローと直接話し合いを行い、球団側の意向などを伝えた。「イチは春季キャンプが始まる数日前のように見えたよ」。来年2月のキャンプには招待選手として参加。開幕2連戦後のロースター入りをかけて争うことになる。

今季は3月上旬に電撃契約し、キャンプに途中参加。右ふくらはぎ痛、頭部死球に見舞われるなど、調整不足のまま、開幕を迎えた。だが、来季は所属先も、目指す日時も確定した。メジャー19年目、日米通算28年目のシーズンへ新たな挑戦がスタートする。

◆実働28年なら イチローは日本で9年、大リーグで18年プレー。来季出場すれば日米通算で実働28年目となる。日本で実働期間が長かったのは工藤公康、山本昌、中嶋聡の29年。大リーグではノーラン・ライアン投手の27年が最長で、ライアンの記録を上回る。日米ともに外野手で28年プレーした選手はいない。