西武からポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指していた菊池雄星投手(27)がマリナーズと最大7年126億円で合意し、かつてない異例の契約形態になっていることが2日、明らかになった。MLBネットワーク等で活躍するジョン・ヘイマン記者によると、3年4300万ドル(約47億3000万円)がベースとなり、4年目以降は選手、球団どちら側からも契約終了か残留かの選択肢を持つ。米メディアからは、その複雑さと斬新さに驚きの声が上がっている。

  ◇    ◇    ◇

菊池の契約は、メジャー史上でも類を見ない複雑な内容となった。まずベースになるのが3年4300万ドル。で、年平均約1400万ドル(約15億4000万円)。3年終了後、ヘイマン記者によると菊池側に契約解除(オプトアウト)の権利が与えられ、球団には4年6600万ドル(約72億6000万円)のオプション(契約選択権)が与えられている。さらに菊池には、選手側のオプション1年1300万ドル(約14億3000万円)も与えられており、これによって菊池には少なくとも4年5600万ドル(約61億6000万円)が保証されることになる。

ただしESPNのジェフ・パッサン記者は「3年終了後に球団がオプションを行使するか否か選択し、行使しなければ菊池がFAになるか、さらに1年残留するか選択する」としており、複雑過ぎるゆえに米メディアでも若干解釈が分かれている。現在のメジャーは大型契約に慎重な球団が増えており、この契約の複雑さは米球界の現状を反映しているといえそうだ。

とはいえ今オフFA市場ではトップクラスの大型契約。球団側のオプションが行使されれば付帯的な条件も含め総額は7年で約126億円に達する。ヤンキース田中は14年1月に7年保証の大型契約(総額1億5500万ドル、4年目終了時にオプトアウトの権利)を結んでいるが、菊池も保証は4年とはいえ、最初3年の活躍次第で7年の大型契約となるチャンスが与えられた。