【ボルティモア(米メリーランド州)11日(日本時間12日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(24)が、ミリ単位の微修正で2試合ぶりのマルチ安打をマークし、3連勝に貢献した。

オリオールズ戦に「3番指名打者(DH)」で出場。6回に3得点の口火となる左前打、9回にはダメ押しの右前適時打を放った。「比較的、振りにいった球に対しては反応、捉え方が、ちょっとずつ良くなってきている」。打席を重ねるたびに状態が上がってきた。

細部の自己分析が結果につながった。打者復帰後から長打が出ていないが、「1ミリ下とかだったらフェンス越えたりとか、1ミリ右だったら(野手の)間を抜けたり、そういう微妙な中でやっている」。芯でボールを捉えるにしても、ミリ単位で修正。わずかな進歩がいずれ結果につながると信じる。「少しずつステップした方が、何が良くて何が悪かったのか、はっきり分かる」と、結果までの過程を重要視してきた。

布石は前日の最終打席にあった。左飛だったが「(復帰後)初めてフライを打って、なかなか良い感じの打席だった」。内角を厳しく攻められながらも外角球に対応し、大谷らしい逆方向への強い打球を放った。この日も5打席中、4打席が中堅から左方向への打球で「今日の1打席目のアウトから継続して、そういう雰囲気を出せたのは良かった」と満足そうだった。

元祖二刀流の生誕地ボルティモアで、この日も打者復帰後初の本塁打は出なかった。オリオールパークから徒歩約5分の場所には、ベーブ・ルースの生家として博物館がある。「行ってないですね」と淡々と話したが、二刀流ゆかりの地でのプレーに「野球ができるのは幸せだと思いますけど、普通にも来たい」。思いをはせながら、次代を担う二刀流として成長を続ける。