【ワシントン26日(日本時間27日)=斎藤庸裕】アストロズが、4番の大活躍でナショナルズに快勝した。アレックス・ブレグマン内野手(25)が7回の満塁弾を含む5打数3安打5打点。第3戦までの不振を取り返した。ワールドシリーズで1試合5打点以上はア・リーグの打者では09年の松井秀喜(ヤンキース)以来10年ぶりで、三塁手としては初。2勝2敗のタイで迎える第4戦の先発はナ軍シャーザー、ア軍コールの両右腕の投げ合いとなる。

  ◇    ◇    ◇

10年前の伝説がよみがえった。眠っていた若き主砲が目覚めた。4番ブレグマンがナショナルズファンで真っ赤に染まった左翼スタンドへとどめの一撃をかました。「いいスイングができて、ラッキーだった」。1点を返され、3点差とされた直後の7回1死満塁。内角低めのツーシームをすくい上げ、左翼ポール際へのグランドスラムで試合を決定づけた。

1回にも先制打を放ち、この日5打点。09年11月4日、フィリーズとのワールドシリーズ第6戦で、当時ヤンキースの松井秀喜が右翼ポール際へ先制の2ランを放つなど4打数3安打6打点。この日の松井以来、ア・リーグの打者では10年ぶりとなる1試合5打点以上をブレグマンがマークした。右と左で正反対だが、くしくも両者ともポール際へ、滞空時間の長い本塁打を放ち、クールな表情でダイヤモンドを回った。

今季のア・リーグMVP候補は、試合前の時点でシリーズ打率7分7厘と大不振。前日の第3戦は6回2死二、三塁から3番打者が敬遠され「4番ブレグマン勝負」という屈辱も味わった。それでも「次の打者につなげるだけ」と冷静でいられた。上位打線6人中、自身を含め5人が17年の世界一メンバー。7回の満塁弾を放った場面も「フライを上げて点が入ればいい」と、犠飛で5番グリエルへつなげる意識だった。

4番の復調で快勝し、シリーズ2勝2敗のタイとした。ヒンチ監督は「今日の勝ちはこのシリーズで最も大きいもの」。本拠地2戦で連敗スタートとなったア軍が、敵地で一気に息を吹き返した。

▽アストロズ先発ウルキーディ(5回2安打無失点。メキシコ出身では3人目となるワールドシリーズの勝利投手となり)「すごく特別なこと。とてもうれしいし、誇りに思う」

▽アストロズ・アルテューベ(2安打で好調をキープ。復調した4番ブレグマンに)「心配はしていなかった。良くなると分かっていた」