【グッドイヤー(米アリゾナ州)8日(日本時間9日)=四竈衛】レッズ秋山翔吾外野手(31)が、エンゼルス戦に「1番中堅」で出場し、適時二塁打を含む3打数2安打1打点と活躍し、初長打、初打点をマークした。

◇ ◇ ◇

年間216安打の日本記録を持つバットマンの真骨頂だった。4回1死一、二塁。カウント3-1から左腕ヤンの時速144キロの外角直球に対し、秋山は正確なバット操作でコンタクトした。「先っぽだったですけど、ファウルにならなかったのが一番」。直前の1球が内角高めへすっぽ抜け、体を起こされた。残像が残り、少しでも手打ちになればファウル。だが、しっかりと踏み込み、振り切ったことで、鋭い打球が三塁線を破った。

結果にこだわる理由があった。前日は、左腕相手に連続三振。「左対左は打ち取られた印象が強い。そうすると(打席に)立たせてもらえない可能性も出てくる」。調整段階とはいえ、左腕を苦にしないことを実証するためにも、結果と内容が必要だった。

3試合連続で出場し、9打数5安打。打球の質に納得していない一方で、「9タコ(無安打)だったら、こんなにしゃべりはしませんよ」と、おどける一面ものぞかせた。「ちょっと球が見えてきたと思って、雑に振ったり、準備をおろそかにすると、すぐにガタガタとメジャーの波にのまれていくだけですから」。打率3割4分6厘と上向きだからこそ、秋山は自らの足元を見つめ直した。