米大リーグ、ブレーブスなどで通算318勝を挙げ、ナックルボールの名手として知られたフィル・ニークロさんが26日、がんとの闘病の末に死去した。同球団が27日に発表した。81歳だった。

ニークロさんは遅咲きながら息の長い名投手だった。米国野球殿堂の公式サイトによると、4年間のマイナー、陸軍に従事した後に25歳でメジャーデビュー。父親に教わったという右腕からのナックルボールを武器に通算318勝をマークし、48歳までプレーした。

大リーグ機構のマンフレッド・コミッショナーが声明で「最も記憶に残る投手の一人で、20世紀にフィルの5404イニングより多く投げた投手はいなかった」と功績をたたえたように、衰え知らずだった。最多奪三振、2度の最多勝、5度のゴールドグラブ賞はいずれも35歳以降に獲得。40歳を過ぎてから挙げた計121勝は大リーグ記録として残っている。同じくナックルボーラーだった弟ジョーと合わせての539勝も兄弟でのメジャー通算最多だという。

コロナ禍の今年はアル・ケーライン、トム・シーバー、ルー・ブロック、ボブ・ギブソン、ホワイティ・フォード、ジョー・モーガンと殿堂入りの名選手が次々と死去。米球界はまた一人、偉大な選手を失った。(共同)