【テンピ(米アリゾナ州)2月27日(日本時間28日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(26)が、今キャンプ2度目のライブBP(実戦想定の投球)で直球を160キロの大台に乗せた。

打者5人に35球を投げ、最速100マイル(約161キロ)をマーク。18年5月30日のタイガース戦以来、1004日ぶりに160キロ以上を計測した。右肘を故障した18年、右前腕の屈筋回内筋群を損傷した昨年と比べ、一連の動作に明らかな違いがあった。

<1>力感 日本ハム時代やメジャー1年目と比べ、腕をしならせ、最大限に出力する上半身のダイナミックは、さほどない。テークバックで腕を早めに上げてトップを作り、極端に言えば野手のような投げ方。コンパクトな動きに変わった。

<2>体重移動 力感がなくても、昨年と比べて厚みの増した下半身が勢いを加速させる。重心を体の右側に寄せ、右足を曲げてマウンドに沈み込む。その後、流れるように体重を移動。193センチ、102キロの大柄な体の重力を利用し、一気に力を放出。球威が増した。

<3>跳ね上がり フォロースルー後のフィニッシュも変化。以前は投げ終わりで左足を踏ん張ったまま、右足を着地していた。今季は着地したと同時に両足でピョンと跳ね、ホームベース側に体を逃がしている。19年9月に手術した左膝に全重力をかけない、負担減のフォームとなった。

引っかけたボールのワンバウンドや抜け球があり、細かな制球力に課題は残すが、2月の時点で161キロ。ギア全開となれば、日本ハム時代の自己最速165キロ更新も見えてくる。