【アナハイム(米カリフォルニア州)28日(日本時間29日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(27)が、球団史上初の快挙を達成した。「2番DH」でパドレス戦に出場し、5回1死から二盗に成功。今季20個目の盗塁を決めた。シーズン40本塁打以上&20盗塁以上は球団初。ア・リーグでは11年のグランダーソン(ヤンキース)以来10年ぶりとなった。第1打席では右手首付近に投球が直撃するアクシデントもあったが、問題なくプレーを続行。周囲の心配を一掃した。

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大谷がスピーディーなスライディングで二塁に到達した。5回1死。四球で出塁すると、3番ゴスリンの2球目にスタートを切った。慌てて送球する捕手をよそに、涼しい表情で難なく成功。球団史上初の「シーズン40発&20盗塁」を達成した。マドン監督は「残りのシーズンで毎日、何かやるだろうね。彼はピッチングもしているんだ。『Oh My God』。非常に素晴らしいことだね」と笑い、偉業をたたえた。

球団史に名を刻んだ試合は、“ヒヤリ”から始まった。大谷の第1打席、2ストライクから振りにいった93マイル(約150キロ)の内角球が、右手首付近に直撃。しばらく痛がるそぶりを見せ、いったんベンチへ下がった。患部の状態が心配されたが、マドン監督によれば、試合中に行ったエックス線検査では問題なし。アイシングで応急処置を行い、2回表にはベンチでiPad(アイパッド)で映像をチェックするなど、普段通りの姿を見せた。

幸い軽症とはいえ、利き腕の右手に起きたアクシデント。3日後の31日(日本時間9月1日)には、ヤンキース戦登板が予定されている。マドン監督は「私の知る限りでは大丈夫だと思う。ただ明日、痛みが出るかもしれない。明日はチーム休養日だから(登板前日の)月曜日になるまで分からない」とした。患部の経過観察が必要で、登板は状態次第となりそうだ。

打撃では問題なくスイングし、2打席目以降もフル出場。4打数無安打だったが、2得点と足でチームに貢献した。ア・リーグで8月までにシーズン40本塁打&20盗塁を達成したのは、99年のケン・グリフィー、07年のアレックス・ロドリゲス以来、史上3人目の快挙。さらに、マドン監督が指摘したように大谷は投手でもある。二刀流での「40-20」達成には、数字以上の価値がある。