【アーリントン(米テキサス州)29日(日本時間30日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(27)が、今季最終戦に登板しないことが決まった。ベーブ・ルース以来として期待された「2ケタ勝利&2ケタ本塁打」は来季へ持ち越し。残り4試合は打者に専念し、逆転での本塁打王を目指す。「1番DH」で出場したこの日のレンジャーズ戦は、アーチこそなかったものの5打数2安打。史上6人目となる45本塁打&25盗塁を記録するとともに、100得点もマークし、投手2部門打者2部門ではメジャー初となる「クワドラプル100」を達成。記録ラッシュの1日になった。

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二刀流で完走したシーズンの有終の美は、タイトルをかけて打者大谷で飾る。登板の可能性があった最終戦について、マドン監督は「投げない」と明言した。ベーブ・ルース以来となる「2桁勝利&2桁本塁打」は、来季に持ち越し。「投球イニング130回(1/3)、奪三振の数(156)、防御率(3・18)、彼がやってきたこと全て、期待以上だった。十分だと思う」と、大谷と話し合った上で、決断を下した。

本人も納得している。大谷はマドン監督に「(打撃に関して)追い求める何かがまだある」と言ったという。ロイヤルズ・ペレスには3本の差をつけられたが、奇跡の逆転本塁打王へ残りは4試合。「登板せずに、打者で続けるには正しい時」(マドン監督)。全集中を打席にかける。

この日の試合は記録ラッシュとなった。7試合連続でノーアーチとはなったが、6回に二盗を成功させ、45本塁打&25盗塁以上の「45・25クラブ」入り。史上6人目の快挙を達成し、マドン監督は「今年が記録を破る最初の年。今後も続くだろう」と目を細めた。盗塁後には勝ち越しのホームを踏んで今季100得点に到達。100安打、100投球回、100奪三振を加え、投手2部門打者2部門ではメジャー史上初の「クワドラプル100」の快挙を達成した。

9回、2安打目となる右前打を放った後にも盗塁を決め、1試合2盗塁で今季26盗塁。史上3人目の「45・30」も見える。今季は3試合連発を3度マーク。残り4試合と厳しい状況ではあるが、奇跡の逆転本塁打王、球団最多本塁打(47本)、100打点(あと2)などの記録もかかる。楽しみは最後まで続く。