新労使協定も締結され、いよいよMLBの開幕が近づいてきた。ニッカンスポーツコムでは「カムカムMLB」と題して、今日から今季のメジャーリーグの見どころを紹介する。第1回は「大谷の今季成績予想」について。

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日本人初の満票で昨季MVPに選出されるなど各賞を総なめにしたエンゼルス大谷翔平投手(27)は、今季は果たしてどんな成績を残すのか。

シーズン前に野球の各データサイトが独自の試算による成績予測を出している。最も有名なのは「Fangraphs」のZiPS予測システム。これは、選手のタイプ別に成績の変動傾向をビッグデータ化したものを使用し、予測する選手の過去成績を当てはめ、割り出している。

ZiPSの今季大谷成績予想は、打者としては586打席、131安打、38本塁打、101打点、21盗塁、打率2割6分1厘、WAR3・9。投手としては登板21試合、投球回111回3分の2、6勝4敗、防御率3・63、132奪三振、WAR2・4となっている。

昨季と比較すると、打席数は53減、安打数は7本減、本塁打数は8本減、盗塁は5減、打点は1増、打率は4厘上昇、WARは1・0減。投手として登板は2試合減、投球回は約19減、勝敗は3勝減と2敗増、防御率は0・45悪化、奪三振は24減、WARは1・7減となっている。

つまりZiPSの予想では、大谷の出場数が昨季と比べて15試合程度減少し、打率は上昇しているものの本塁打は昨季の13・9打席に1本のペースから15・4打席に1本のペースに落ち、投手としても昨季より苦戦することになる。

他のデータサイトはどうか。「Baseball Reference」の打者大谷の今季は567打席とさらに少なくなっており、成績も打率2割5分3厘、31本塁打、81打点、18盗塁とどれも下降とシビアな予想だ。数人の専門家によって開発された「スティーマー予測システム」が最も好成績を予想しており、打席数は昨季を超える640以上、打率は昨季と同じ、本塁打は39、打点は99、盗塁は24と高い数字になっている。

投手大谷については、この「スティーマー予測システム」とCBSスポーツ電子版のファンタジーページの予想成績が高い。前者は165投球回、11勝8敗、防御率3・69、192奪三振。防御率と負け数は昨季からやや悪化するものの、その他の数字は向上。後者は169投球回、10勝2敗、防御率2・56、168奪三振と昨季を上回る予想だ。

MLBの過去の事例を見ても、MVPに輝いた翌シーズンは大なり小なり成績が下がる例が多い。ZiPSなどはそうした過去の傾向に基づいての算出なのだろうが、大谷が良い意味で予想値を裏切るかどうか。昨季も各予想を大幅に上回る結果を出しているだけに期待したい。【水次祥子】