9回にマウンドに上がったレイズのジェイソン・アダム投手は、地獄から天国というスリリングなイニングを終え、文字どおり胸を撫で下ろした。MLB公式サイトが伝えている。

レイズが1点差を守って迎えた9回2死、このまま切り抜けたい場面でアダムが迎えた打者は昨季ア・リーグ本塁打王で前日に2発決めているアーロン・ジャッジ右翼手。初球のスイーパーを振り抜くと、打球は中堅に大きく弧を描いた。同点ソロを浴びたと思ったアダムは両膝に手をついて地面を見つめ、完全に諦めた状態。だが、その背後でホセ・シリ中堅手がフライをがっちりキャッチしてみせた。

味方の捕球を知ったアダムは左手を胸に当てて「woah」というように口を動かした。“危なかった”というような表情も、最後は笑顔に。同投手はこれで今季5セーブ目となった。試合後「スタンドの30列目くらいに入ったかと思った」とその瞬間の気持ちを明かした。先発したザック・エフリン投手は「シリがいるとどうなるか分からないからね。いつもみんなだまされてばかりな気がするよ。ほかのチームよりも、僕らが一番だまされている」と、ジョークでシリをたたえた。

一方のジャッジは「当たりは良かったけど、打った瞬間、ボールが高く上がりすぎた。外野の深さを考えた場合、あそこまで上がってしまったら奇跡を祈るしかない」とコメント。打球がフェンスを越えることはないと分かっていたと語っていた。